今回は、伝統野菜「仙台雪菜」をご紹介。
仙台雪菜は、「仙台白菜」「仙台曲がりネギ」「仙台長なす」「からとり芋」「仙台芭蕉菜」と並ぶ仙台の伝統野菜の一つです。
仙台雪菜の収穫時期は、秋の終わりごろから霜の降りる冬にかけて、
そして、見た目は小松菜にそっくりで、葉は丸型で肉厚、茎が25㎝から30センチと長いのが特徴です。
その味は、独特な苦みが少しありますが、冬野菜によくみられるように寒さで甘みが凝縮されるので、優しい甘さとアクセントになる苦みが程よくマッチしていて、お浸しや汁物、炒め物と色々なお料理にとてもよく合います。
同じ「雪菜」といっても、栽培方法・見た目・味はさまざま。
雪菜と呼ばれているものは、「仙台雪菜」「ちぢみ雪菜」「(山形の伝統野菜)雪菜」など、いろいろありますが、今回ご紹介しているのは「仙台雪菜」です。
ちぢみ雪菜は、もともとは中国野菜のターサイが原種と言われ、仙台で栽培されているうちに今の形になったと言われています。見た目はちぢみほうれん草に似ていて、ちぢみ小松菜って感じです。
葉は濃い緑で少し厚みがあり縮れていて、茎は小松菜のような色で太くしっかりとしています。
ちなみに山形の伝統野菜の雪菜は、見た目も全く違い、栽培方法もとても珍しいのです。
見た目は白く、葉っぱがうっすらと黄緑色。
茎は太くしっかりとしていて白いです。
8月下旬ごろ種をまき、11月中ごろから12月上旬にかけて収穫。
ココからが山形の雪菜の面白いところです。
収穫した雪菜を10株ほどずつ束ね、1箇所にまとめて藁と土で囲って、雪の降る時期になるのを待ちます。雪が降り積もるとその中の気温と湿度が一定になり雪菜は成長を続けます。
「とう」(花茎)が立つほど育ったところで、雪から掘り出して収穫します。
冬の初めに収穫した雪菜は50~70cmほどあったのに、掘り出した雪菜は4/1ほどになってしまっています。自らの葉っぱや茎を栄養にして甘みに変えていたので小さくなってしまうんですね。
雪の中で育てるという何とも珍しい方法で育てている山形の伝統野菜・雪菜は、まさに「雪菜」です。
今回ご紹介した仙台雪菜は仙台のお雑煮には欠かせない伝統野菜です。
ドドーンと載った焼きハゼがシンボルマークの「仙台雑煮」。
大根・人参・ゴボウを引き菜にしたものと、鶏肉、仙台雪菜・同じく伝統野菜のからとりいも(ズイキ)をいれて、最後にドドーンと焼きハゼを乗せたら出来上がり!
焼きハゼの贅沢なおだしで、伝統野菜の仙台雪菜を楽しんでみてはいかがですか?
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