お雑煮なのに『餅なし』!?
今回ご紹介するのは、お餅が入っていない珍しいお雑煮です。
『餅なし雑煮』が伝統的に食べられている地域は、徳島県北部の山間部に位置する祖谷(いや)地方。
徳島と言えば阿波踊り!こんな華やかなイメージなのになぜ、餅なし??
と思われる方も多い事でしょう。
私も初めて餅なし雑煮の存在を知った時はビックリしました。
だって、お餅があってこその「雑煮」でしょ??って。
さて、ではなぜ餅なし雑煮が食べられている地域があるんでしょうか?
一説によると、この餅なし雑煮は1000年近くも昔から伝わっているとのこと。
その昔、この辺りでは山間部ゆえ、畑は出来てもお米やもち米を作ることが難しかったそうです。
自分たちが作った作物以外の物を、お正月にいらっしゃる神様にお出しするわけにはいかないということで、
この地域を訪れた 安徳天皇が「大豆は豆腐にするように」といわれたことに由来して、
餅ではなく、お豆腐の乗ったお雑煮になったといわれています。
さて、ではどんなお雑煮なのかご紹介していきます。
だしは、いりこだしをお醤油で味を調えたすまし仕立て。
具材はなんと、丸いままの里芋と祖谷地域特産の『岩豆腐』のみです。
おだしの入った器に頭芋3つを入れ、その上に2丁のお豆腐を十字に重ねたら出来上がり!
この岩豆腐を十字に置く様も、平家が戦で刃を交えた様子を表しているといわれていて、「うちちがえ雑煮」とも呼ばれています。
また、雑穀の餅、白い餅、あんこ餅の3つを重ねたお餅を食べたあとにこのお雑煮を食べるという風習があるそうです。
聞けば聞くほど、奥の深いお雑煮ですよね。
このお雑煮が伝統的に残る徳島の祖谷地域。
こちらは、とくしま88景に選定された「祖谷渓谷」や、
「祖谷温泉」があったりと観光地にもなっているそうです。
祖谷そばやこんにゃくなども有名だそうなので、
まだ出会ったことのない「岩豆腐」を探す旅に出かけた際には
色んな地域の特産品との出会いも楽しんできたいと思います(*^_^*)
「岩豆腐」をGETしたあかつきには、
念願の『餅なし雑煮』にチャレンジしますのでご期待くださいね!
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