お雑煮ほど面白い料理は、他にない!

 

お雑煮って、年に一回「お正月というハレの日の家庭料理」って位置づけで、
飲食店やレストランでもほとんど提供されることもなく、
家族や親戚と過ごす時間の中でだけ守られ育まれてきた、実は閉ざされた料理なんですよね。

だからこそ、今も地域食としての味が受け継がれているとても稀有な存在になっているんだと思います。

「お雑煮」についての話題が持ち上がると、同じ「お雑煮」として話しているのに、実はひとによって
イメージしているものは全然違う・・・という摩訶不思議な状況が現れたりします。

お雑煮は、これだけものが溢れている日本においても、まだスーパーで販売されたり、飲食店で提供される
機会がほとんどなく、「ヨソんち」のお雑煮を食べるチャンスがなかなかないので、
それぞれの「我が家の」雑煮しか、体感としてイメージできないんですよね。

そして、話してみると、「うちのは岩のりが入ってるよ」「うちのは焼きハゼがのってる」
「餅は丸もち?切もち?焼くタイプ?ドロドロに煮るタイプ?」・・・なんて
お雑煮談義は、盛り上がっていくんです。

このお雑煮談義、昔から私は大好きだったんです。
毎年、まだ私が知らない「お雑煮」が登場して、地域食の豊かさや奥深さに好奇心が高まるばかり。
でも、やはり残念なのは、話で聞くことはあっても、実食はなかなか出来ないことなんですよね。
お雑煮は、「だし」の中身も豊富な種類があって、カツオ昆布だし、いりこだし、するめだし、
ハゼだし、あごだし・・・なんて具合で、地域のカラーが反映されてますし、「具材」も特徴が
出て、結構地元じゃなきゃ手に入らない「伝統野菜」や食材が使われています。餅だって、煮る・焼く・
丸・角なんて具合でバリエーションあり。

こういう全国各地のご当地雑煮を食べ比べできたらなぁ・・・
食べ比べすることで、尽きることなく無限のバリエーションが存在しそうなお雑煮の面白さは
きっと活きてきちゃうよなぁ・・・と思ったんです。

大体、こんな風に個性豊かな地域食が今も受け継がれているお雑煮なのに、
最近では、おせちを購入する家庭が増えるにつけ、雑煮を食べない正月を過ごす世帯が増えているんです。
今ではお雑煮を食べるとこたえるご世帯は4割を切っている、というデータもあります。

そんなのあまりにも残念すぎる!
お雑煮の面白さに注目をしてもらって、もっともっと自分の地元の雑煮を大切に受け継いで
いきたくなるような何かを始めてみたい!

ということで、お雑煮やさんはスタートしたのです。

まずはとにかく、お雑煮の面白さを目一杯楽しんでもらう

初年度は、とにかく「お雑煮って面白いよね~!」と楽しんで貰えることだけをイメージして、
「食べ比べる楽しみ」をセットした『全国ご当地お雑煮食べ比べセット」を開発することにしました。
お歳暮に使っていただいたり、
お正月の自家用のエンターテイメントとしてご活用いただいて、
たくさんの方に、お雑煮を面白がってもらいたい!

ここからがスタートなんです。

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そして、来年は、本来のご当地雑煮 発掘・応援プロジェクト!

全国各地の素敵なご当地雑煮を、地元の方が「みやげ物」として商品化できるように、
商品化の応援プロジェクトを進めていきたいんです。
「ご当地カレー」とか「ご当地ラーメン」などと同様に、「ご当地雑煮」が全国のあちこちで
並ぶようになったら、楽しい!

私たちお雑煮やさんが作るんじゃなく、地元の人が自ら開発していけるようなプロジェクトにしたいんです。

お雑煮は、正月だけのものじゃない。日常でも楽しめるように、ファーストフード展開!

ファーストフード感覚で日常的に雑煮を楽しんでいけるような店舗展開を行います。店舗ではご当地雑煮にこだわらず、
「スープ+具材+餅」=雑煮と定義し、
小腹が減った時や、朝食、ヘルシーランチとしてお雑煮を提供したいと思っています。

一つのお椀(カップ)でお腹が満たせる、
だしの効いたスープでほっこりと和める軽食として、
「丼」や「そば/うどん」と並ぶ日常の食べ物にしていきたいのです。
『朝雑煮』というスタイルを今はイメージして、まずは大都市圏のオフィス街等からスタートを考えています。

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そして、海外へ!

昨年は、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
「和食」の真骨頂でもある「だし」を、
地域の家庭料理である雑煮で表現できると思っています。
「昆布だし」「かつお昆布だし」「いりこだし」「あごだし」「するめだし」など・・・雑煮には様々なダシが使用されています。庶民の味として「雑煮は一押しでしょう?!」と私は考えているんです。

SUSHI(寿司)は今や世界で一般用語化され、各国でローカル化されています。
雑煮も、「スープ+具材+餅」と定義すれば、
「ボルシチの中に餅が入ればZOUNI!」となるでしょう?!
各国のローカルスープに餅を入れる食べ方としても、馴染みやすいのではないかと考えています。レシピの可能性は無限大。
私たちは雑煮を、「ZOUNI」という言葉ごと世界に広げていくことを計画しています。

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お雑煮は、おもしろい!

これまで雑煮のマーケットがなかったのが不思議なぐらい。
きっと、このたくらみごとが動き出したら、楽しいことになっちゃうぞ!と、今はワクワク妄想ばかりが
膨らんでいるお雑煮やさん、なのでした。

一緒に楽しんでくれる方、ぜひぜひお声かけくださいませ!