今回は、『干し鮎』のだしの取り方をご紹介。
干し鮎のだしは、香魚とも呼ばれているとおり、ほのかな優しい香りが特長です。
味はあっさりとしながらも、まろやかなコクもありなんとも上品な味わいです。
干し鮎と言えば有名なのは、島根県西部を流れる清流・高津川の「天然鮎」。
干し鮎は昔からある保存食で、この地域の方々はお正月に食べるお雑煮や煮物に使うだしはこの干し鮎だしを使うそうです。
この珍しい「干し鮎だし」を使ったお雑煮で代表的なのは「お雑煮のバリエーションの宝庫」でもある島根県のなかでも、世界遺産「石見銀山」のある山間部・石見地方の「岩のり雑煮」「黒豆雑煮」です。
干し鮎 だしの取り方・・・
1.水を張った鍋に「干し鮎」を入れ、鮎がふっくらと戻るまで浸しておきます。
(1時間~)
2.ふっくらとしたら、強火にかけ沸騰したら、弱火で1時間ほどクツクツと煮込みます。
煮込んでいくうちに脂ののった魚の脂がとけだしてだしのコクとなり、
さらに徐々に色が黄金色へと変化していきなんともいえない魅惑の色になっていきます。
3.最後に、ザルにキッチンペーパーなどを敷き、濾したら出来上がりです。
時間をかけて取ったダシは絶品!
川魚の鮎のだしは、海の魚のように塩分がないためあっさりとしていて、
さらっとした風味です。
しかし、脂ののったその身からうまみがだしに溶け出して何とも言えないコクとなるのです。
お雑煮やさんスタッフはこの「干し鮎だし」にぞっこんです(*^_^*)
最初は、川魚特有の臭みなどが出てしまうのではないかと疑っていましたが、
「このだしを知らなかったのは今まで損してた!」と思うくらいに旨い!
とてもシンプルな石見のお雑煮は、鮎だしに丸い煮たお餅を入れて
岩のりや黒豆をパラリ。
ただそれだけなのに、お口の中はなんて贅沢な味わい。
具だくさんのお雑煮も素材の旨みがたくさん出ておいしいけれど、
シンプルになればなるほど、素材一つ一つの味が際立ちまよね。
まさに、その代表的なものの一つだと思います。
なかなか出会えない「干し鮎だし」。
今年のお正月、試してみてはいかがですか?
コメント
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