セリ

2016/09/10カテゴリ:タグ: , , ,

お雑煮やさんは、今の時期にセリをスーパーで見かけると、
無意識のうちに、棚からバッと掴んでしまいます。
あぁ、いけないいけない、今買っても困っちゃうじゃないの、と思いなおし、掴んだセリを戻すことも。

今は便利な世の中で、セリのシーズンである春先を過ぎた夏でも秋でも、
「水耕栽培」のセリを手にすることができますが、
それでも、いざ欲しい時に手に入らないこともしばしばあり、
探し回ることを何回も経験しているお雑煮やさんとしては、
スーパーではセリを無意識のうちに目で探してしまうのですよ。(^-^;

・・・と書くとお解りいただけると思いますが、
「せり」はお雑煮によく使われる食材なんですよね。

といっても、もちろん地域によって、ではありますが。

例えば、私の母は香川県出身ですが、家で「せり」を使うことはほとんどなかったと思います。私もお雑煮研究を始めるまでは、春の七草のひとつとしては知っていましたが、馴染みのない青菜でした。

でも、地域によっては、セリは本当に大活躍していて日常料理にもよく使われていますよね。

特に東北地方ではセリはかなり活躍している青菜です!
例えば、仙台の「セリ鍋」は有名ですよね。
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根っここそが美味しいんだ、と言われ、大胆に根っこごとセリが使われている鍋にはびっくりしました。

お雑煮でもそれは同じで、東北地方では様々な地域でセリが雑煮に使われていますが、根っこも使うところが多くみられます。
ところが、中国地方などでもセリを使われているところは多いのですが、こんな風に大胆にせりの根っこを使う感じではないんです。
同じせりを使う、と言っても違っていて面白いなぁ~と思うんですよね。

実際、セリの根っこは甘みがあって美味しいんです。
きりたんぽなど郷土料理にもセリは欠かせないものです。
一般的には、春が旬と言われるセリですが、東北地方では冬が旬。
今の時期の水耕栽培のせりでは、こんな大胆な根っこはのぞめません。まさに冬の楽しみですね!

東京のお雑煮にはセリはほとんど入らないと思われますが、セリではなく、「みつば」。あるいは「小松菜」。

セリの独特な苦みと甘み。そして芳香。
あんまりにも特徴的で、個性を形作ってしまうお野菜なので、
お雑煮にせりを使われている地域では、外すことのできない野菜ですよね!
(残念ながら、今のお雑煮やさんの作っている岩手宮古雑煮ではせりを使えていないのですが。。(^-^;)