東海を歩いてみた

2020/01/13カテゴリ:タグ: , , , , , , , ,

お雑煮やさん粕谷、1月6日~7日、二川宿~岡崎までお雑煮歩きをしてみました!

そうしたら、なかなか楽しい結果が出てきて、
終始にこにこしてしまったのです。

さあて、その結果とは?!

まず、東海地域というのは、実にシンプルなお雑煮が食べられている地域ではあるんですよね。
ブリだ、エビだ、鮭だ、というような海産物が具材には使われはおらず、
鶏肉などもあまり使われてはいません。
基本は、シンプルにすまし仕立ての汁に、煮た切り餅、そして菜っ葉、かつおぶしがドッサリ入っている
というタイプの雑煮です。

が!、その菜っ葉、というのが地域によって使われているものに違いがあるのです。

まず、静岡県と愛知県の県境にある愛知県豊橋市。
豊橋では、ひとつ面白いことがわかりました。

静岡の浜松市は、水菜を雑煮に使われている地域なんですね。
三河の最東の宿場町の「二川宿(ふたがわじゅく)」では、餅屋さんや駅のお客さんたちに
雑煮話を聴いたところ、
水菜+油揚げ+かつおぶし」という返答ばかりだったんです。

だけど、豊橋駅について、地元のかつお節屋さん(http://katubushi43.ocnk.net/)や、染め物屋さんのご主人や奥様、市役所の方からお話を伺ってみると、
白菜+油揚げ+かつお節」にガラリと変わっていたんですよね。

どうやら、二川宿は豊橋市内だけど、浜松文化に近いようで、二川宿から先で豊橋、三河文化に切り替わっている雰囲気。

さて、私はもうひとつ興味があったのが渥美半島ではどうなのかな?ということで、豊橋鉄道渥美線の終点の「三河田原駅」まで移動して、道の駅で手あたり次第農家の方やお客様に声掛けて「どんなお雑煮食べてますかぁ?」と聴いてみました。
そこで伺ったところ、やはり豊橋と同様、「白菜+油揚げ+かつおぶし」雑煮でした。
もちろん、他にちくわを入れるよ、とかかまぼこ入れるよ、なんて話もありましたが、菜っ葉は「白菜」で共通してました。

こういう話を聴いているうちに、抑えきれない興味がまた湧いてきちゃったんですよね。
名古屋あたりで中心の「餅菜(もちな)
(※小松菜に似ているけど、もっと柔らかくて甘みのある愛知の伝統野菜)
に切り替わる地域がどこなのか、知りたくてたまらなくなってしまったんです。

で、車の運転ができない私、東海道線を電車で乗り降りしながら、「白菜」「餅菜」境界線を探り歩くすることにしたんです。

まずは、豊橋から「蒲郡駅」に降りてみました。
そしてまっすぐ、地元スーパーに立ち寄ってみた!
お買い物に来ているお母さんたちに声掛けまくり、お雑煮の中身を聞いてみました。
結果、蒲郡では、聴いた人皆、「白菜」と。まだ餅菜の話は一切出てきません。
ふむふむ、蒲郡は白菜圏内ね、と。

じゃあ次!「岡崎駅」に!
降りてすぐにバス停で待っているお母さん方に声掛けた。
そしたら、しょっぱなから「餅菜+かつおぶし」に変わってしまってた。観光案内の方に聞いてもここでは「餅菜です」と。
ありゃりゃ、境界線通り過ぎちゃった。

おぉ、おぉ、こりゃ戻んなきゃいけないじゃないか!と東海道線逆戻りで、「幸田駅」に降り立ってみました。(額田郡幸田町)
雨が降っていたので、聴き歩いていくのもしんどいわぁ、と、
駅前の豆腐屋さんに入って、その中のお客さんに話を聴き出し始めました。
そうしたら、こちらでは「白菜」と。
とっても素敵な豆腐やさんで、二階には豆腐専門レストランとなっていたので、
ちょうどランチ時間帯。お昼をここで食べることにしました。(https://tabelog.com/aichi/A2305/A230504/23045071/)

うふふ、ここではレストランにいらっしゃってる女性グループやお客さんたちのテーブルで「すみませーん」と声掛けてしまいましたよ。
豆腐ビュッフェもあってちょっと歩きやすかったので(笑)

で、聴いてみるとどうやら、幸田町では「白菜」は入れるけど、油揚げは入れないみたいなんですよね。
あれ・・・。
油揚げ、そういえば豊川は豊川稲荷でおいなりさんが有名なところ。
ってことで油揚げが雑煮でも使われるようになったのかしら?
幸田町はもっと調べたいわ、と思って、町役場にも電話して問い合わせてしまいました。
こういうお雑煮について、明確に答えられる職員さんは、経験上いらっしゃらない、と知っているので、
「部署の皆さんが今年どんな雑煮を食べていらっしゃるか聞いてくださーい」とお願い事をば。

そうしたところ、全員が白菜とかつおぶしのお雑煮で、油揚げを入れている方はいらっしゃらなかった。
・・・ってことで、なるほど、油揚げは幸田町手前で境界線あるんだなー、と。

 

今回の聴き歩きでわかったことは、
浜松~二川宿  水菜雑煮
豊橋~蒲郡   白菜+油揚げ雑煮
幸田町     白菜雑煮
岡崎~     餅菜雑煮

もちろん、家庭によって違いはあるけれど、ざっくりとした雑煮文化圏がわかっちゃった♪

ちなみに、東海圏どこでもたっぷり「かつおぶし」をかけますが、これは「勝男」と掛けているのだとか。武家文化ですね~。

本当はもっと細かく聞き取り歩きしたかったけれど、それは次回の楽しみにとっておきます!