今回ご紹介するのは島根県石見地方で食べられている「岩のり雑煮」です。
島根県は知る人ぞ知る「お雑煮天国」。
各地域でブリ、アユ、ハマグリ、黒豆、錦糸卵、小豆などを使ったバリエーションに富んだお雑煮が食べられています。
その中でも、今回の岩のり雑煮は、何とも珍しい「干し鮎だし」なのです。
干し鮎のだしをつかう『ご当地雑煮』は、島根県の山間部、世界遺産の石見銀山で有名な石見(いわみ)地方に伝わる「岩のり雑煮」です。
岩のり雑煮に使われる岩のりは「十六島(うっぷるい)海苔」という希少で珍しい海苔で島根県出雲市十六島(うっぷるい)周辺で採取される海苔のことをいいます。
取れる時期は、寒さが厳しくなる12月初旬から翌年の2月頃までで、地元では『かもじ海苔』といって、お正月のお雑煮には欠かせない食材となっています。
一般的な岩のりよりもしっかりとした食感で、味は磯の濃厚な風味が生きていて、今まで食べたことのないような贅沢な岩のりです。
日本酒にサッと浸して、少しほぐした後にだしとお餅の入ったお椀に十六島海苔を乗せるのが昔ながらの食べ方なのだそう。
今回は、そのまま海苔を乗せております。写真の海苔はほぐれてないじゃないか!という方ごめんなさい。今回は、わたくしの無知からそのまま乗せてしまいました。
次回作る時は、お酒で戻してからちゃんとほぐして乗せます!
そして、干し鮎と言えば有名なのは、島根県西部を流れる清流・高津川の「天然鮎」。
干し鮎は昔からある保存食で、この地域の方々はお正月に食べるお雑煮や煮物に使うだしはこの干し鮎だしを使うそうです。味は、すっきりとした味ながら優しい味わいで決してガツンというインパクトではありませんがじっくりと体にしみていくような旨さがあります。
岩のり雑煮の作り方・・・
1.水を張った鍋に「干し鮎」を入れ、鮎がふっくらと戻るまで浸しておきます。
(1時間~)
2.ふっくらとしたら、強火にかけ沸騰したら、弱火で1時間ほどクツクツと煮込みます。
3.ザルにキッチンペーパーなどを敷いて濾します。
4.丸餅を煮ます。(レンジ対応容器に、お餅と水をお餅がかぶる程度に張ってレンジで一分チンでもオッケイです。)
5.器にお餅とだしを入れ、最後に、日本酒にサッと浸して少しほぐした十六島海苔を乗せれば出来上がり。
※今回、十六島海苔はお酒に浸してほぐさず、そのままちぎって入れています。ご了承ください。
シンプルながらも、贅沢な味わい。食材のもった本当の旨みを感じることのできる一杯です。
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