今治のあなご・じゃこ天雑煮

2016/09/15カテゴリ:タグ: , , ,

愛媛県のお雑煮も、私が聞いている限りでも色々バリエーションがあって面白いんですよね!

四国っていうと、何だか郷愁。
お雑煮やさん粕谷は、転勤族の家庭に育ちましたから、故郷がない、というか色んな場所で育ったのでどこ、と特定できないというか。。
だから、祖父母のいる場所が「いなか」で、
父方の広島、母方の香川は、冬休みや夏休みにかえる場所として私のいなか、なのでした。

私が生まれたのは香川県善通寺でして、
お雑煮で言うならば、「あん餅入りのいりこだし、白みそ雑煮」地域。
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隣県である愛媛県の中でも、同様の「白みそ仕立てのあん餅入りの雑煮」は結構食べられています。あん餅が入らなくて、丸餅をいれる白みそ雑煮の地域も多いの。

と思えば、
大洲では、肱川の鮎で、焼き鮎のだしで作るしょうゆベースすまし仕立てのお雑煮。
豆腐と水菜とだしをとった後のアユが入ってる。
焼き鮎のおだしって、品が良い味なんですよ。具材が豆腐と水菜ならば、だしを存分に味わうタイプの爽やかなお雑煮ですね。
香川に近いところには白みそ地域ですが、愛媛県全体でみると、すまし仕立ての地域の方が多いような感じです。

今は合併して同じ大洲市になっている、旧長浜町でも同じくしょうゆベースのすまし仕立て。でも具材は違う。ここではじゃこ天が欠かせないものなんですって。(水菜やダイコン、ニンジンなどが他に入ってる)

私にとっても、愛媛といえば、「じゃこ天」と連想するぐらいじゃこ天の印象が強いので、雑煮の具材にもじゃこ天が入ってるんだぁと思うと何かそれだけで嬉しい。
「じゃこ天」ご存知ですか?これ↓です。
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小魚を骨ごとミンチにし磨り潰して油で揚げた、練り製品です。
練り物が汁に入ると、そりゃあおだしも美味しくなっちゃいますよ。
つみれ汁じゃないですけど、魚のすりみが加わるだけで、おだしはぐっと旨みが増しちゃいますよね。
旨いに決まってるわ。

あぁいけない、また本題に入る前の雑談的お雑煮話になってしまった。
そう、今回タイトルで挙げている「あなご・じゃこ天雑煮」、想像するだけでも旨いだろう、ってわかるでしょう?
今治の地域の中でもあなごを入れていないご家庭の話も聞いてはいますが、今治はあなごの産地でもありますからね、やはり焼きアナゴを雑煮の具材として使う家も多くあるんでしょう。素直に納得です。

ちなみに特産品としてのアナゴの産地は、宮城・千葉・愛知・兵庫・島根・広島・山口・愛媛・長崎などがあります。
お雑煮の具としてアナゴを使っている地域としても、広島や兵庫、長崎、などがあります。地元でとれるものをお雑煮の具に使うのはとっても自然ですもの。
それにしても、なんと贅沢なお雑煮なのかしら、と思います。

あなごのお雑煮は、頭、あるいは骨でだしをとります。
だし好きな私としてはヨダレものです。
あなごとじゃこ天が入るお雑煮の汁は、実に実に魅惑的な味わいですよ。

瀬戸内海って穏やかで海の恵みが豊富でゆるりとした雰囲気があり、
それも私の郷愁に繋がってるなぁ、と思います。
実は母方のおじいちゃんは、魚屋さんでした。口下手な人でしたから、全然会話はなかったのですが、孫である私が滞在している間は、とにかく毎日すごい量の瀬戸内の海産物を持って帰ってきてくれていました。アナゴもじゃこ天も、おじいちゃんの思い出と結びついていたりして、、スミマセン、本当は今治のお雑煮の紹介のはずが、終始、郷愁コメントになっちゃいました。(笑)

とにかく美味しいお雑煮です!(まるで子供コメント(^^ゞ)